第3回定例会レポート『障害者福祉から見た、人にやさしいまちと共生社会 』

定例会リポート

2020年 11月26日(木)開催 第3回定例会

 誰もが幸せに暮らす社会を目指してますます広がるSDGsの輪

11月26日に3回目を開催した「なごエコ」定例会。今回も多くの新規参加者をお迎えし、それぞれの活動を語っていただきました。福祉、健康、環境など多種多様な分野から集まった皆さまの談議は今回も盛り上がって時間が足りないほど。活気に満ちた会の様子をご紹介します。


特別公演

「差別」も「特別視」もされることのない障害者が当たり前に暮らせる社会を目指して

  社会福祉法人「AJU自立の家」は、昭和48年に設立された「愛知県重度障害者の生活をよくする会」が前身です。私はその頃は健常者だったので団体との関わりはありません。しかし当時を知る先輩に聞くと、その頃の社会の障害者への理解は極めて乏しく、障害者用トイレひとつ設置することもままならなかったそうです。それが今では名古屋市営地下鉄の多機能トイレおよびエレベーター設置率と、市営バスのノンステップ車両率はともに100%。これは我々の仲間たちが昔から続けてきた運動が実を結んだ成果のひとつといえるでしょう。
 ただ、我々が求めているものは、障害者が特別扱いされるのではなく、皆さんと一緒にごく当たり前に暮らせる社会です。そのために当団体は、障害者が家元を離れて自立生活を試みる「サマリアハウス」や、障害者が働いて福祉用品を販売する「ピア名古屋」、ワイン製造を行う「小牧ワイナリー」、さらにアルコール中毒患者の回復施設である「名古屋マック」など、障害者の社会的自立を支援するためのさまざまな事業を運営しています。
 ワイン祭りやバザー、コンサートなどイベントの主催や参加にも積極的です。アジア諸国の障害者の方々を招いてテレビ塔の回りをマラソンしたこともあります。「なぜこれほどイベントに参加するの?」とよく聞かれますが、これもなるべく外に出ることで、私たちが皆さんと同じ社会で生きていると知ってもらうためです。共存できる社会づくりこそが大切ですから。
 先ほど話した地下鉄のエレベーターは、今では健常者の方も喜んで使っていますよね。高齢者やベビーカーを押す人が使用しているのを見ると、働きかけを続けてきて本当に良かったと感じます。まだまだ社会全体がバリアフリーとはいかない部分もありますが、階段の段差に簡易スロープを置くなど、ちょっとの工夫で解決する問題もたくさんあります。
これからも皆さんと共に考えて実行していきたいと思います。

 

■講師 江戸 徹さん

社会福祉法人「AJU自立の家」常務理事。30歳の時に交通事故で受傷。2000年にAJU自立の家と出会い障害者福祉の道へ。障害を持つ仲間の就労・地域生活の問題に取り組む。

 

 出席者が語る「私たちが行っている取り組み」

10分間個別スピーチ

「ホタテの貝殻」からノンアルコール・ノンケミカルの除菌水を開発

環境と肌に優しいノンアルコール・ノンケミカルの除菌水「シェルクリーン」を今年の春から販売しています。この除菌水は1000℃以上の高温で焼いたホタテ貝殻の粉末を精製水と混ぜることで生まれたもので天然成分100%。肌への刺激が少ない点と抗ウイルス効果に関しては科学的試験や大学の実験で証明済みです。食用として身を取った後のホタテの貝殻は無数に存在するうえ、製造後に残る粉末も再び海に戻せば新しいホタテ貝が貝殻を作るのに役立ちます。循環型の原材料といえるでしょう。このシェルクリーンがアルコールや化学物質で肌が荒れたり、気になったりする方の選択肢のひとつになればと願っています。

T’s-Fine(ティーズファイン) 田中 陽一さん

 

「食からカラダを整える」をテーマにヘルシーなお弁当を作っています

私は製薬会社のMRや調剤薬局を経営した経験から、世の中の薬の多さにうんざりしていました。そんな時、マクロビオティックを実践していた妻と一緒に何か社会に還元できることをしたいと考え、思い切って弁当屋を始めました。
私は食生活こそ健康の根本であると考えています。当店が扱う食品は低温熟成で食べやすさと栄養価をアップさせた「発酵玄米」や、おいしさを最大限に引き出した野菜料理中心のメニュー。動物性たんぱく質を使わない弁当はヴィーガン(完全菜食主義)の方にもおすすめできます。健康的な食生活を提案することで、医療費の増加や日本人のコメ離れの抑制につながればうれしいですね。

vegifirst(ベジファースト) 江川 宏さん

 

クマが住めるほど自然豊かな山を取り戻す活動をしています

私たちは山の豊かな生態系を守る活動をしている団体です。山の食物連鎖の頂点であるクマをシンボルとし、クマが充分な食料を得られるほどの自然環境を取り戻すことが目標です。
現代日本の山々はスギやヒノキを植えた人工林の増加で荒廃し、餌を求めて人里に降りてきた野生動物が駆除されるニュースが毎日のように報道されています。これは動物だけの問題ではなく、人工林だらけで山の土壌が痩せてしまうと土砂崩れや湧水枯渇の原因となり、私たちの生活にも大きく関わってくるのです。人工林は木材需要の低下や林業従事者の高齢化で放置されているものも少なくありません。そのため私たちは理解ある山主さんから人工林を購入して、自然そのままの元の姿に戻す事業などを全国で展開しています。自治体や地元の子供たちにも理解を深めてもらえるよう呼びかけることで、人も動物も幸せに暮らせる環境づくりにこれからも取り組んでいきたいです。

日本熊森協会 愛知県支部長 平子 恵美さん

 

 


今回は女性参加者が半数以上!

★次回の「なごエコ」定例会は12月24日(木)16:00より開催予定

お申込みは、こちらから
>>>https://nagoeco.jp/?p=224

タイトルとURLをコピーしました