今回の特別講演は、認定NPO法人「地球市民の会」柴田京子さん。
「国際協力とSDGs ~ミャンマー農村部でのNGOの取り組み~」というタイトルで、グローバルな視点でのSDGsについてお話していただきました。
その他、5名の参加者より10分間個別スピーチにて、みなさんが行っている取組みを紹介していただきました。
定例会の後半は懇親会、中部地方で活躍する同じ視点を持った方々との交流をお楽しみいただきました。
2020年 12月24日(木)開催 第4回定例会レポート
ご近所のリサイクルから国際協力まで発信していこう、私たちのSDGs
SDGsに関心を持つ人々の集いの場「なごエコ」が発足しました。食品、製造、教育などさまざまな分野でご活躍の方々が一堂に会し、発信し、親交を深めた会の様子をご紹介します。
特別講演
▼国際協力とSDGs ~ミャンマー農村部でのNGOの取り組み~
柴田 京子さん/認定NPO法人「地球市民の会」
10分間個別スピーチ
■食生活の改善こそが明るい未来への近道です
江川 宏さん/vegifirst
■リサイクル業界の改革と周知を目指しています
篠田 朋香さん/株式会社エス・エヌ・テー
■巨大ダムの建設現場を見学してみませんか
橋本 謙蔵さん/設楽町 地域おこし協力隊
■食材を使う側から作る側へ転身しました
横島 龍磨さん/株式会社QUATRO SEASON
■ラジオ番組で皆さまのSDGsの取り組みを発信しませんか
佐々木 僚太郎さん/株式会社 三晃社
懇親会
特別講演
国際協力とSDGs ~ミャンマー農村部でのNGOの取り組み~
2002年から18年間ミャンマーで生活し、2つのNGOを通じて国際協力事業に従事する。地球市民の会は、ミャンマーにおいて農業、教育、環境保全など多方面からのアプローチによる総合農村開発を実施。同会には2007年より勤務、現在はミャンマー事業代表兼理事を務める。
誰もやらないからこそ私たちがやろう! ミャンマーで環境に配慮した農業支援
私は中学生の時にアフリカの貧困に関するテレビ番組を観て、農業を通じた国際協力を志しました。大学の農学部を卒業した後はNGOに勤務して2002年にミャンマーへ。ミャンマー人の夫と結婚して現地の村で暮らしている時に、縁あって「地球市民の会」に採用されました。さまざまな支援活動を続けているうちに気が付けばミャンマー生活も18年に。先日、久しぶりに日本に帰ってきたところです。
■インフラ整備から人材育成支援まで
発展途上国への国際協力というと、お金や物資の寄付を思い浮かべる方が多いと思います。しかし私たちの活動方針は少し違います。
「食べ物を与えてくれるより、食糧の作り方や料理の仕方を教えてほしい。そうでなければ我々は口を開けて待っているだけの民族になってしまうだろう」これはある少数民族の族長の言葉で、私たちの活動もこの考え方を基本にしています。
農作物の栽培を例にとっても、ミャンマーでは防護服を着ずに農薬を散布して中毒になる人がいたり、化学肥料の使い過ぎでコストがかさんだり土壌が荒れたりしていました。また水場が遠い地域では毎日の水くみだけで長い時間を費やしてしまいます。私たちは配水管を敷設して手軽に水を使えるようにすることから始め、健康や環境に配慮した有機農法のやり方や、樹木を伐採した後は植林をするなど環境保全についても教えています。そうしたインフラ整備や技術指導のほか、学校や幼稚園の建設や若者の農村リーダーの育成など、ミャンマーの将来を担ってくれる人材育成支援も行っています。
■ミャンマー最奥部でも農作物栽培指導
私たちは2018年からミャンマー内陸の最奥部で秘境と呼ばれているチン州でも活動を始めています。チン州は山岳地帯で交通の便が悪く日本からたどり着くには片道3日もかかります。少数民族が多く暮らし、経済的に最も貧しい地域です。「無謀だ」という声も聞こえましたが、誰もやらないからこそ自分たちがやろう!との思いが私たちを突き動かしました。狩猟採集の生活を送っていた現地の人々に、家庭菜園づくりや、コーヒーなど換金性の高い作物の栽培を推奨するなど粘り強く活動を行っています。最近ではコーヒーが商品として認知され始め、次第に成果が表れてきたところです。
■日本との文化交流事業も
日本との文化交流事業にも力を入れています。国際協力に関心を持つ日本の大学生や団体さんに現地研修ツアーへ参加してもらったり。逆にミャンマーからの視察団を日本に招待したりしています。お互いを知ることでさらに国際協力が発展すれば理想的ですね。
また、国際協力は現地に行かなくてもできます。奨学金の支援やコーヒーなど現地で生産された商品の購入でもよいですし、クラウドファンディングも募集しています。SDGsに興味のある皆様の考えるきっかけになれば幸いです。
10分間個別スピーチ
出席者が語る「私たちが行っている取り組み」
食生活の改善こそが明るい未来への近道です
製薬会社での勤務や調剤薬局経営の経験から、日本の医療が余りにも薬を使い過ぎていることに胸を痛めていました。そこで、マクロビオティックを実践していた妻と話し合って、健康の基本は食だと思い弁当店を開業。栄養価が高いのに血糖値が上がりにくい発酵玄米や、野菜を中心としたヘルシーなメニューを提供しています。現在の日本の国家予算約106兆円のうち40兆円以上が医療費で、この金額は2025年には60兆円を超えると予想されています。皆さまが食生活を見直すことで、この危機的状況が少しでも改善されればと願っております。
江川 宏さん/vegifirst
リサイクル業界の改革と周知を目指しています
当社は名古屋市で古紙などのリサイクル業を営んでいて、創業は今から100年以上前の1916年です。取引先は主に中日新聞社ですが、地域の一般家庭からも古紙を回収しています。悩みの種は、リサイクル業は一般の方にはどんな仕事なのかあまり知られておらず、若者があまり就職先として選んでくれないこと。このままでは業界の高齢化が進んで存続の危機を迎えます。そんな現状を打破すべく、当社では学生向けにワークショップやエコバッグづくり体験などを開催して、少しでもこの業界について知ってもらおうと努めています。そのためのアイデアはまだまだありますので、これからも実行していきたいですね。
篠田 朋香さん/株式会社エス・エヌ・テー
巨大ダムの建設現場を見学してみませんか
私は奥三河・設楽町の魅力を各メディアに発信する仕事をしています。大自然が魅力の奥三河ですが巨大な人工物もあります。それはダム。現在では「設楽ダム」が建設中で観光協会に連絡すれば建設現場の見学が可能です。ダムは自然破壊や公共事業費増大の観点から反対の方もいらっしゃるし、治水や発電、飲料水確保の観点から賛成の方もいらっしゃいます。一度、奥三河を訪れてダムの建設現場を見学し、生活と環境について考えてみませんか。皆さまのお越しをお待ちしています。
設楽町 地域おこし協力隊 橋本 謙蔵さん
食材を使う側から作る側へ転身しました
農薬や肥料を一切使わない自然栽培の農園を経営しています。私は長く外食産業に勤めていましたが、業界を揺るがした残留農薬問題や食品偽装問題に触れて、農業に関心を持つようになりました。親類や知人に農業従事者はいないので、手探りで始めた農園です。また、同じ自然栽培の仲間たちの安定した供給先になればとの思いから、名古屋市内でレストランも経営しています。店内では収穫した野菜を使った料理や弁当のほか、野菜の販売やセミナーや研修の開催もしています。こうした取り組みを続けて農業に携わる人をもっと増やしたいですね。名古屋のお店や春日井市の農園に一度遊びに来てください。
横島 龍磨さん/株式会社QUATRO SEASON
ラジオ番組で皆さまのSDGsの取り組みを発信しませんか
当社は名古屋市の総合広告代理店で、名古屋おもてなし武将隊や中部電力のプロモートにも携わっています。今回はラジオ局ZIP-FMとコラボして2月にSDGsに関する特別番組を放送します。番組内ではSDGsに取り組む企業を紹介するコーナーやスポットCMを流す予定です。SDGsは今や世間にとって関心の高いテーマのひとつです。皆さまの活動を広める機会として、ぜひこの番組をご活用ください。
佐々木 僚太郎さん/株式会社 三晃社
★次回の「なごエコ」定例会は1月28日(木)16:00より開催予定
お申込みは、こちらから
>>>https://nagoeco.jp/?p=287