第9回定例会リポート 「自然との共生から生まれる 新しい暮らしのカタチ」ほか

定例会リポート

5月27日に第9回「なごエコ」定例会を開催しました。今回もさまざまな分野で活躍する皆様にそれぞれの活動を語っていただきました。

 

 

2021年 5月27日(木)開催 第9回定例会リポート

 

特別講演

新しい漆喰文化の創造と拡充
  福田 正伸さん/株式会社漆喰九一 代表取締役役

10分間個別スピーチ

epicy 早崎 知代さん
たねのしずく研究所 山田 泰珠さん


懇親会

 

 

特別講演

新しい漆喰文化の創造と拡充

■講師プロフィル

株式会社漆喰九一 代表取締役 福田 正伸さん

工業高校卒業後、放電精密加工研究所・航空エンジン事業部で航空機のオーバーホールや地対空ミサイルの製造に従事。1996年合資会社福田業務所入社、家業である左官の道に進む。2007年株式会社漆喰九一に名称変更、曽祖父の遺した漆喰の普及活動を始める。名古屋市景観構造物・櫻井邸漆喰工事、千種区高級マンション・プラセシオン千種谷口エントランス壁画の製作、雪月花名駅店漆喰版築工事など実績多数。

http://www.kuichi.net/




自然との共生から生まれる 新しい暮らしのカタチ

大正元年に創業した漆喰左官の3代目である福田正伸さんは、天然成分100%の原材料を練り込んだ漆喰の製造・施工会社を経営。漆喰の壁を通して、健康的な暮らしの空間を提案しています。5千年以上の歴史がある漆喰は、石灰岩や貝殻を焼いて粉末にしたものを、水、麻、海藻糊などを加えて、練り上げ、空気中の二酸化炭素により硬化させていきます。古来よりお城や社寺などの白い壁に使われるなど、左官技術は伝統産業として伝えられてきました。

 

定例会での発表の様子

 

漆喰は、湿気にも強いため、カビがはえにくく、夏場や梅雨時でも快適な居住空間が保てます。また、においもなく、火にも強いことから、長い間、家を守る壁材として使われてきました。近年では、住宅建材による健康被害を訴える人が増えたことなどから、再び漆喰が注目されるようになっています。漆喰九一では、抗ウィルス性を持つホタテ貝殻焼成灰という素材を新たに加え、菌にも強い壁材も作っています。

漆喰の防疫性能について2007年より研究を始める

現在、漆喰九一では、昔から白壁などに使用されていた白色の漆喰、落ち着いた灰色の漆喰に加え、天竜すぎやこだまを混ぜて作る淡い黄色、小原和紙と漆喰を合わせた風情ある生成り漆喰など、住まいのインテリアに合わせた漆喰建材を製造。寝室やリビングなどのリフォームにも対応しているとか。漆喰の壁で「ぐっすり眠れるようになった」や「アトピーが改善された」などの声が寄せられるといいます。

定例会では実際に漆喰建材を触って温度の違いを体感

また、漆喰を通して地域の交流を広げる「漆喰サロン」を運営。お茶を飲みながら、いろいろな情報交換のできる場を提供。漆喰を塗ってみる体験会なども設けています。SNSでこの活動を知ったスゥエーデンの左官職人が訪ねてくるなど、日本国内だけでなく、世界にも反響が及んでいます。

体験しにきた左官職人

自然の力を利用して、健康を守ってくれている身近な自然素材の漆喰を取り入れて、健康で安心できる暮らしを多くの人に発信しています。

 

▶特別講演の内容を動画で見る

 

10分間個別スピーチ

出席者が語る「私たちが行っている取り組み」

「食」を通して毎日を楽しく幸せに過ごすお手伝いを

管理栄養士として食品メーカーに勤め、高齢者施設や病院への営業を担当していたという早崎知代さん。高齢者の方のための液体状の流動食などを扱う中で、健康でおいしく食事を食べることの大切さを改めて感じたといいます。その体験から、試行錯誤を繰り返し、体温を上げるのに役立つ朝食にぴったりの良質なたんぱく質と野菜をたっぷり使用したウェルネススープを開発。忙しい朝にぴったりの、手軽にそのままレンジで加熱できる冷凍パッケージとなっています。朝食を抜きがちな若い世代や栄養の偏りがちな方にも、家族の健康を守るための一品として、取り入れてみてほしいと語ってくれました。

■epicy 早崎 知代さん

https://www.epicy.net/

 

 

 

 

 

耕作放棄茶園を再生し、茶実油と関連商品を製造販売

岐阜県揖斐郡には豊かな自然に包まれた耕作放棄茶園がたくさんあるそうです。これらの地元資源を生かし、新たな産業を立ち上げたのが「たねのしずく研究所」の山田泰珠さん。茶の実から搾るオイルや関連商品の製造・販売をしています。ツバキ科である茶の木の実には、ビタミンE(α-トコフェロール)の含有量が多く、抗酸化作用や保湿作用にも優れ、最近では大手の化粧品ブランドにも採用されているそうです。荒れ果てる耕作放棄茶園に人が入ることで、獣被害を防ぎ、収穫作業などの労働や観光農園など産業振興へともつながっています。地域から考えるSDGsとして、茶の実が可能性の輪を広げています。

 

■たねのしずく研究所 山田 泰珠さん

https://seedoillab.com/

 

 

 

 

 


★次回の「なごエコ」定例会は6月24日(木)16:00より開催予定

お申込みは、こちらから
https://nagoeco.jp/?p=670

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